臆病者の探検

奥多摩は“むかし道”にある廃線に行こうと思い立ち早朝の電車に駆け込んだ
廃墟や廃線。本くらいでしか眺める機会がないが、放置された物の数々から
当時の面影や生活していた人々を想像することが好きである
ただ薄暗い森で一人で立つより薄気味悪いものがあったのも事実
そこに今も残る人の思念か。何か視線を感じる様な気がする
ともかく躊躇いながらも一人でこの短いトンネルに足を踏み入れた
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夏の怪談話でトンネルはつきもの。正直あきあきしていたが
実際に中に入ると非常に怖い。夏なのに・・いや春なのにひんやりとした空気
水滴が天井からぽたぽたと垂れ肩に落ちる。それが体を伝って落ちると
辺りの空気がよりいっそう冷たくなっていく感じがする。
トンネル中央に小さな横穴があった。私は妄想を開始する
もしもこの穴から人間が出てきたらショック死しかねない。だから身構えようとか
廃線なのは確かだが後ろから汽笛の音が聞こえてくる気がする
もしも貨物列車がやってきたら、どうやって回避しようかとか
ああ・・いつも雲を眺めては形を想像して楽しんだりしているので
壁や天井の染みが何かおぞましい生物に見えてしかたないのだ
トンネルをぬけ私は肝試しで夜、トンネルに入るのは不可能という結論に至った
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怖いけど惹きつけられるものはある。私みたいな臆病者はなおさらなのかも
トンネルを抜けた先の光が一層眩しく、かつ暖かかったのをよく覚えている
帰りは音楽を聴いた。モーツァルト作曲の素晴らしい曲で気を散らそうと
すると耳かけヘッドフォンからふいに人の声の様なものが流れた
私は走った。それこそ全力疾走で。ジョギングで鍛えていてよかったと思った
そしてよくよく聞いたら演奏者のブレスが漏れているだけだった・・
こんな私ですが端島に行って見たいんですよ!ええ
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by sudarenagori | 2010-04-28 23:19 | 漂う哀愁